対日投資について

地域活性化としてのアジアンSPAの活用

日本が新たなスパ文化の中心に

日本人は、歴史的に見てもその文化の中で、人あたりも良く、人に対しても優しく歓迎をし、非常に行儀が良くて素晴らしい人たちです。それはスパ事業を始めるに当たり、すべてが整っているということを意味すると思います。今回、下呂温泉に行きましてそのことを確信いたしました。

シンガポールにおいても日本人のセラピストはもちろんいます。日本人の方はいつも手厚くもてなしてくれると皆さんがおっしゃいます。これは本当に素晴らしいことだと思っています。例えばインドネシア、タイ、マレーシアという国ではさまざまなスパを体験できますが、日本でスパを体験できるのは一体どこでしょうか。当地には陶器産業があります。そして磁器の産業もあり、漆もあります。さまざまな芸術があります。素晴らしい食事も提供できます。そこに美しい日本の風景とソフトウエアを上手に組み込めば、世界最高級のスパ文化が出来上がります。

以前にも文化的な背景のスパということで、アーユルヴェーダ、タイ、バリとさまざまありまして、エスニックというイメージで人気がありました。私は今回このように岐阜にまいりまして、10日後には沖縄にも行きます。実は10日前には鹿児島の県知事がシンガポールを来訪し、スパについてもっと教えてくれと言ってきました。なぜ、日本は今これほどスパに関心があるのでしょうか。

セミナー前日の下呂温泉観光協会との意見交換

もともと究極のスパを作れるのが日本です。私どもは、日本のスパを日本独自の形でプロデュースするお手伝いをすることができると思います。さまざまな既存の産業を上手に活用して、成功できる業界を築けると確信しております。今回のパワーポイントに書いてあるものは、ミプロが作りました『アジアンスパの導入のための手引き』にも詳しく書いてありますので、読んでいただければよろしいかと思います。

私どもの調査結果が一つあります。日本では過去1年間に5人に3人、約60%の日本人が温泉に行っています。これは7640万人という数になります。これはアメリカの21%を大きく上回っています。デイスパ、日帰り温泉が41%と最も多く、そのほか天然温泉が続いています。日本のこういった市場は今成熟していると見られますので、将来の展望についても同じような傾向が見られると思っています。

スパのサービスには、スチームバス、サウナ、足つぼマッサージなどがあります。このリフレクソロジーはアメリカよりも日本で人気があります。参考までに、アメリカはペディキュアやマニキュアの方に人気があります。男性はスチームバスやサウナを好みます。女性の方が運動やハイドロセラピーといったものを好んでいるようです。女性はそのほかアロマセラピーや顔のエステ、マニキュアなども好んでいます。
満足度では、日本の方がより高い結果が得られています。実際にどのスパに行くかを選択するに当たって、価格や立地、場所などの条件が重要になります。ただ、リゾートという一つの場所に確立されたものですと、こういうものは全く関係ありません。

地産地消の可能性

なぜスパに行くかというと、10人中8.8人の割合で、リラックスしたいから、ストレス対策と回答しています。男性はスパに行けばより気分が良くなると言います。男性はできれば男性のセラピストがいいという話もあります。これに対して女性はスパに行けばきれいになれる、スパはご褒美であり、大変高いものというイメージがあります。
リゾートホテルの中にスパを作ることは、それを一つの経済的な要素と見るのではなく、それがあることにより、お客さまがより長い日数滞在し、ホテルをより活用されるといった付加価値として見るべきです。

海外旅行に出かける外国の人たちの調査によると、彼らはスパがあるホテルを選好するということがあります。以前は、男性はスパに行かないといったことが聞かれましたが、今はそんなことはありません。日本でスパに行くのは女性が51%、男性が49%です。平均年齢は45歳。平均収入としては680万円です。スパを選ぶ理由、条件としては価格、便利な場所、そして雰囲気というのがありました。
最近ではカップルでスパを訪れる人が増えています。また、新しい形として、お母さんと娘さんでいらっしゃる親子の旅行も増えました。スパに行くことでお母さんと娘さんという親子関係が良くなり、食事、スパなどでより満足の高い経験が得られ、新しい形としてメディカルスパというものも注目されています。

ここで一つ申し上げたいのは、オーストラリアではスパ事業から、エステに走ったことによって閉鎖となった施設が24ありました。スパはやはり75%以上がいかに相手をもてなし、リラックスさせるかにかかっています。

男性はスパを選択するに当たり五つ星の最高級サービスを求めます。74%の男性がリラックスするために行きたい。21%が癒されたいと。そして、38%の男性がパートナーと一緒に訪れています。
女性は年平均5.5回スパを訪れています。59%の方が実際にトリートメントに使われる製品は地元のものを望んでいます。マッサージをした後にもマッサージオイルなどをなるべく体に付けていたいと望んでいる人が大半です。スパを訪れた50%以上の女性がマッサージを受けています。

今後この業界に携わっていくのであればということで一つ申し上げたいことがあります。昨日、エステ施設を訪問したときに、スパをどんどん乱立してしまったら一体どうなるのかという意見がありました。このスパの事業は今、作り上げられているということを考えますと、今だと自分たちで自分たちの基準を確立することができます。
スパの場合には、どういった形でどういうサービス、品質を提供するかということで、今はランク付けを設計することができます。10年間シンガポールはこれでやってまいりました。また現在、大学でもスパについての講義が行われているぐらいです。

今後、日本で日本風スパを作り上げていくに当たり、一体何をしていくか今ここで考えてみてください。スパビジネスを展開するに当たり、短期的な計画、中期的な計画、長期的な計画を、初めは自分たちの施設の中でどうやって構築していくか、次にそれを地域でどのように連携していくか、やがては国として日本のスパをどう確立していくかといった観点で考えていただきたいと思います。ありがとうございました(文責:ミプロ)。

(2008年3月18日)

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